Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人のサキです。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

竹内理論にもの申す

国際医療福祉大学院の竹内孝仁教授が、全国老施協の介護力向上講習会や、同会の発刊する月刊老施協などで、「水が細胞を活性化させ、身体と精神の両面を活性化させ、覚醒水準をあげ、尿意や便意を知覚することにつながる」等を理由に挙げて、食事以外に1日に1.500mlの水分摂取を促していることの疑問。

 

個別のアセスメントに基づかずに、水分の摂取量の下限を一律に決めることは問題があるのではないかということが一つ。

さらに最大の疑問は、食事以外に1日1.500mlという水分量は、そもそも多すぎるのではないかという疑問である。前回の記事と重複するが、必要とされる水分量とはどの程度なのかということを、どういうふうに考えるべきかを示しておきたい。

1.人が1日に排出する水分は、汗・・・100ml、尿や便・・・1,500ml、不感蒸泄・・・900m(ただし高齢者の場合は、これより少ない可能性が高い)lと考えられる。

2.したがって脱水を防ぐ適切な水分摂取量とは、排出される量を摂取するということ。

3.そうであればここでは食事に含まれる水分摂取量は無視できない。

4.1日の摂取量の内訳としては、食物中の水1,000mL~1.200mLと体内での代謝水200mL として、飲料水はせいぜい1.100~1,300mLというところではないのか。1.500mlというのは、何らかの理由で食事摂取が少ない人など、ごく限られた人しか考えにくい。

5.水分を取りすぎても、尿となって体外排出されるだけで問題はなく、むしろトイレで排泄する機会を増やすという考え方は間違っている。

6.水分をとり過ぎると、心不全、肺水腫、高血圧などをおこし、心臓・肺・血管といった、生きていくうえで最も重要な臓器に大きな障害を与える 危険性が大きい。

講演で全国を回っていると、竹内教授の影響力というものはすごいなあと実感する。行く場所行く場所で、竹内理論のままに水分摂取1.500mlを実践している施設が数多くある。しかも僕が指摘した疑問を全く抱かずに水分摂取を実施している。その中には、おむつをしないでトイレで排泄するためという目的を第一に考えて水分摂取を基本方針としている施設もあった。

なるほど食事以外に1日1.500mlもの水分摂取を行えば、尿量は増えるから、トイレ誘導すればそこで排泄できる機会は増え、日中に集中的にそれを行えば、夜間の排泄は少なくなるから、それだけを目的として排泄介助の回数を増やせばおむつを外すことは可能になるだろう。しかしその時の内蔵ダメージは、きちんと考えられているのか?

そもそも高齢者が脱水になりやすいのは、体細胞が減少しているため細胞内液量が足りなくなるためであり、1日に必要な水分量を摂取したとしても、一時期に大量の水分を摂取したのでは、細胞内にたまらない水分はすべて体外に排出され、脱水予防にはならない。余分な水分を尿として排出するときにトイレ介助すれば、トイレでの排泄という目的は達せられる。しかし過剰な水分摂取は脱水を防ぐどころか、内蔵を痛める一番の危険要素である。

しかもトイレ誘導が第一と考えている施設では、水を飲みたがらない高齢者に、無理やり水を飲ませていたりして、その時の利用者の表情は苦しそうなしかめっ面である。いやいや水を飲まされ苦しいから、覚醒状況が上がるのかもしれない。1.500mlという量を守るために、あらかじめ大きめのシールコップなどに水を入れて、それを1日かけて飲ませていたりする。シールコップの中で温くなったまずい水を飲まなければ、1日を過ごせない高齢者が強制的に作り出されているというわけである。おむつさえ外せば、それですべてが許されるというのか?これが介護力の向上と言えるのだろうか?本末転倒ではないのだろうか。