Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人のサキです。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

社会福祉法人の《社会福祉充実残額》について思う。

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2016年4月1日と2017年4月1日に分けられて実施された社会福祉法の改正では、社会福祉法人のガバナンス強化と財政規律の確立等を目的とした改正が行われました。




そのうち財務規律の強化としては法第55条2項に、「社会福祉充実計画の承認」が規定され、社会福祉法人は毎会計年度において、社会福祉充実残額が生じたときは、厚生労働省令で定めるところにより、「社会福祉充実計画」を作成し、これを所轄庁に提出しその承認を受けなければならないとされました。




つまり社会福祉充実残額が生じた社会福祉法人には、社会福祉充実計画に基づく社会福祉事業および公益事業もしくは地域貢献事業などの実施が義務付けられました。


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これは社会福祉法人が個人商店的な法人運営に終始し、行政事務の受託的な業務だけを行って、公費や介護保険料を財源とした費用を受け取っているだけで大きな利益を得ているのも関わらず、収益を溜め込んで社会に還元しない姿勢が問題視されたという、いわゆる内部留保批判を受けて新設された法令ルールであります。




しかしここで示された社会福祉充実残額の計算式により、全国の社会福祉法人で平均3億円あると言われた「内部留保」が、社会福祉法人の不当利益もしくは過剰利益ではなく、運営している事業に使っている土地や建物の資産額をも含んだ金額であることを明らかにした一面もあり、それはマスコミ等を通じて有識者などという連中が批判していた内部留保の実態とは、運用資金に使えず社会還元も不可能な実体のない金額であることが明らかになったという意味でもある。




これにより社会福祉法人の内部留保を批判していた急先鋒の一人でもある、鈴木亘学習院大学教授等は、マスコミの喧伝する偽の数字に踊らされて、その尻馬に乗り、実体のない数字を根拠にした批判しかしていなかった馬鹿者でしかなかったということも明らかになったというわけである。




ということで実際に社会福祉充実残額が生ずる社会福祉法人は、さほど多くはないだろうと推測できる。




しかし、土地や建物を含む資産額などを差し引いてなお社会福祉充実残額が生じた社会福祉法人については、この残額を資金としてそれがなくなるまで実施する事業の検討を行わねばならない。




実施事業は①社会福祉事業および公益事業 ②地域公益事業 ③①と②以外の公益事業というふうに順番に検討されるわけである。つまり社会福祉充実計画として行う事業とは、地域公益事業に限定されていないので、本体の社会福祉事業の中で行ってよいわけである。




すると地域社会のニーズに対応して、施設の定員を増やす事業として実施することも可能なわけである。また職員処遇の向上(賃金上昇、処遇改善、キャリアパス制度の設置)にも使えるわけであるから、例えば介護職員の給与改善を介護職員処遇改善加算を算定して行っている事業者で、その他の職員の給与改善を社会福祉充実計画による社会福祉事業として行うことも可能となっている。




ただしこのことで給与規定を変えて昇給などを行った場合に、社会福祉充実残額を使い切って事業が終了した場合、元の給与額に戻せるかといえば、それはなかなか難しく、そうした方向での社会福祉充実計画実施は難しいと考える法人も多いであろう。




そこで注目されるのは、この計画において本体事業のサービスの質向上のための取組も対象になるということだ。そこでは社会福祉充実残額を資金として、これを使い切るまでに定期的に外部講師を招聘した職員研修を行って、職員のスキルアップを図るという計画も可能になるのである。




これからの社会福祉事業は、顧客の中心が団塊の世代となる中で、サービスの質やホスピタリティといった目に見えないサービスを向上させていかないと、顧客に選択されない事業者となっていく。その時に職員の質の一層の向上は欠かせず、特にサービスの質を向上させる中で、ホスピタリティの精神を生む、「サービスマナー教育」は不可欠となってくる。この教育にお金をかけないといずれサービス競争から落ちこぼれ、事業廃止という形で負け組になる危険性が高まる。




よって社会福祉充実計画として、事業所内職員を定期的に教育する「サービスマナー研修」の実施をぜひおすすめしたい。




社会福祉充実残額を原資にした事業として、職員のサービスマナー教育を行うことは、労務管理上も必要性が高いと思われる。




4S活動(安全で健康な職場づくり、そして生産性の向上をめざす活動で、整理、整頓、清掃、清潔を行う事をいいます)を行っている福祉施設もある。




今後ますます職場環境を整える5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)が重要になってくる中で、職場全体で決めごとを決められた通り実行する習慣づけを行い、行動・言葉・考え方を美しくあるよう心掛けることが健全なる事業経営につながるからである。




資金に余裕があるうちに、ぜひこうした職場環境を整える方向で社会福祉充実残額を活用してもらいたいと思う。