Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人のサキです。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

介護施設の相談員の役割について思うこと

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介護施設の相談員の役割は多岐にわたることは言うまでもないが、その中で最も重要な役割は何かといえば、迷わず「ベッドコントロール」である。





この役割は、特養が措置施設であった頃に生活相談員が生活指導員と呼ばれていた時代から変わりはないともいえるが、しかしベッドコントロールの中身(仕事の内容)はずいぶん変わってきている。






措置の時代はベッドコントロールといっても、待機者の多くはすでに市町村の名簿に登録されている人たちで、施設職員が営業する必要もなく、市町村職員との調整連絡を終えた後に、利用者の家族と具体的な入所に向けた調整を行うだけだった。





市役所の老人福祉係に行けば、特養の入所相談であふれていたので、その中から措置権者である市の意向を確認しながら入所優先順位等を決めて、それに沿って入所予定日を決めるだけでよかった。






措置費時代のベッドコントロールとは、このように市町村の窓口代行業務のようなものであった。市町村に特養入所を申請した順番に、入所予定順が決められていたので、空きベッドが生じた場合にも、施設の相談員はどの市町村の人を入所させるかを決めるだけで、決められた市町村から次に入れるべき人の情報は自動的に上がってくるものだった。そのためさしたる苦労もないし、ベッドコントロールしているという意識にも欠けていた。





それが少し変化したのが介護保険制度以後のことである。措置時代と異なり入所順番は待機した順ではなく優先入所という制度ができ、それらのルールに基づいて総合的に入所順位を決めるために、施設内の入所判定委員会が必要となった。相談員はその判定員会を立ち上げる担当者となり、会の規約や入所判定ルールを作成する業務を担う。そして入所判定員会が定期的に開催されるようになった後は、原資料となるデータ管理の中心的役割を担いながら、判定結果に基づく入所調整を行うのが、その時期のベッドコントロールである。






しかしそうであっても基本的には、そこでも待機者確保に苦労することはなく、数多く待機している人の入所順を適切に調整するという役割が主であり、入所予定者がいなくて調整できないということはあり得なかった。





それが少しずつ変わってきたのが今日の介護施設を巡る状況の変化である。サ高住などの高齢者の多様な住み替え場所が全国各地に整備されるにつれて、介護保険施設はいつも満床、いつも待機者確保に困らないという状況ではなくなりつつあるという状況は、全国的な傾向へと拡大しつつある。





福祉医療機構の「特別養護老人ホームの入所状況に関する調査」によると、直近 1 年間で利用率が低下したとする施設は約2 割、理由として約3 割が他施設との競合激化を挙げている。 さらに待機者が減少したとする施設は約49%あり、理由として他施設との競合激化や要介護2 以下が入所要件から外れたことを挙げた施設が全体の約8 割を占めた。 そして直近 1 年間で、医療的ケアや認知症への対応が困難であることなどを理由に、入所申込者に対し入所を打診できなかった施設は約 4 割あったというものである。





そのため待機者がゼロという特養もぼちぼちみられるようになり、地域の関係機関に営業回りをして利用者を確保するという必要性を感じている相談員が増えているのが実情だ。





そのような中で相談員の最大の役割であるベッドコントロールとは、単なる入所日程の調整業務という意味ではなく、特養に空きベッドが生じないように、計画的に入退所業務を管理するという意味合いが濃くなっている。






そのためには、空きベッドが生じてから、慌ただしく待機者名簿を繰るという業務スタイルでは、時代にマッチングして生き残っていけなくなることは明白で、 常に地域に向けて情報発信をするとともに、アンテナを地域の様々な機関に向けて、何かあったらすぐに適切な情報をキャッチするという、ソーシャルワーカーとしての情報収集能力が問われてくるのである。





適切なベッドコントロールを行う優秀な相談員になろうとするならば、施設の中だけで業務を完結させることは不可能であると考え、施設で職員との関係をつなぐのと同様に、地域に出て行政機関や関係職機関と常に顔をつなぎ、関係を紡ぐ状態にしておく必要がある。





相談員が施設内で介護業務を兼務している暇などないわけである。





介護事業者という組織全体が、そうした相談員の役割を理解し、相談員がその役割を果たすことができる動きができるように、組織内の業務システムを見直していく必要がある。それができるかできないかが、今後の生き残り戦略の重要な視点となってくるわけで、ここの発想転換ができない事業者は、近い将来消えてなくなるか、大手の事業者の吸収合併されて消滅していくかしかない。





顧客確保が事業経営戦略上、重要な課題となりつつ今日において、相談援助職の役割を問い直して、ベッドコントロールの意味を正しく時代に合わせて理解し直すということは、今後の事業経営に欠かせない視点であるということを理解しなければならない。





そこまで目が回らない事業経営者は、そろそろ退場の時期を見据える段階でありことを自覚すべきであると思う。