Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人のサキです。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

介護助手が介護の効率化にならない話し

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介護人材の不足どころか、その枯渇が叫ばれているのは誰の目にも明らかですね。







だが、それに対する有効な対策はなかなか見つからない。むしろ人材不足の状況は悪化の一途をたどっており、将来に明るい日が差す兆候も見えてこないのが現実だ。





社会情勢全般を見渡しても、その未来は暗いものになる予測しか立たない。生産労働人口が減り続けるわが国においては、全産業で労働力不足が深刻化しており、その中で世間一般的には他産業より待遇が低いと印象付けられている介護の職業に、今後十分な労働力が回ってくることは想定し難い。





そう考えるとよほど大きな改革がない限り、すべての地域で、すべても介護事業者が人材確保できる見込みはないと考える以外ない。介護崩壊は現実化している。





そうした状況に対して、国も手をこまめいているばかりではない。政府パッケージで介護福祉士の待遇を改善させようとしたり、外国人労働者の受け入れ範囲を広げるなど、様々な施策を打ち出している。その取り組みは遅きに失したという感も否めないが、ここ数年でやっと重い腰をあげて、具体的な取り組みにかかっているといったところである。






その一環で、厚労省の2019年概算要求では、「福祉・介護人材確保対策等の推進」として前年度より52億円多い366億円を計上している。この中には「介護職の機能分化等による業務効率化や生産性の向上のための先駆的な取り組みへの支援」として5.9億円が含まれているが、その具体的内容としては、「介護助手を活用したサービス提供モデルの確立」などが挙げられている。





例えば、介護助手の導入・活用に向けて、介護に関連する一連の業務を整理・区分するなどして、介護助手が担う介護の附帯業務についてとりまとめるなど、介護職と介護助手の業務分担と労働時間の切り分け等を通じて介護助手の活用を検討し、労働環境の整備・改善に向けた取り組みを行うことに対して予算措置がされる。





つまり介護業務全般を担うことができないけれど、その一部業務を手伝うことができる人材を助手として配置することで、介護職員の業務効率化を図ることによって、定着率のアップなどを図り、人材確保につなげようというものだ。





しかしこのような対策が人材対策として効果があるだろうか?介護職員のほかに、介護助手を介護サービスの場に配置することが介護業務の省力化につながるのだろうか?







国が考えているのは、超高齢社会の中にも元気な高齢者がいて、その方々を人材として活用しようということではないのか。一旦リタイヤした人でも、介護業務の一部を担うことは可能な人が数多くいて、それらの人が介護業務の中の付帯業務を行うことができでば、その分介護職員の業務負担が軽減できると考えているのだろう。





しかし、それは困難なことだと思う。介護業務の一部しかできない職員をいくら抱えても、介護職員の業務負担軽減にはならず、むしろそうした職員ができない部分をカバーするのに、心も体も疲弊する介護職員が多くなるのだ。今まで自分が行っていた業務の一部を担ってくれる職員が別に配置されても、その職員は特定の仕事しかできないスキルであるのだから、担っている業務の結果も見なければならないのである。





そもそも介護業務には付帯業務など存在せず、介護という行為はすべて本体なのである。それを無理やり切り分けることは、介護を受ける人の暮らしを切り分けて、日常生活がいびつなものになるということである。介護業務を本体業務と付帯業務に分けることで、利用者の暮らしはそこで分断されざるを得なくなる。人の暮らしって、そのように切り分けられるものなのか。





そう考えると介護職員の業務と介護助手の業務を整理・区分することは、サービス提供者の業務の都合に合わせて利用者の暮らしを再編することにほかならず、それは過去に否定された集団処遇の論理そのものではないのか?





また介護助手という位置づけがされることで、もう一つ大きな問題が発生する。付帯業務とされる一部の業務しか担うことができない職員に対しては、賃金も多くは支払われないだろう。それはおそらく最低賃金に近いものとなると思う。





そうすると助手が低い賃金で働いて、助手以外の介護職員の賃金だけが大幅にアップするという構図は考えずらくなり、助手という賃金の低い労働力の存在は、介護労働の対価を引き下げる要因になりかねない。少なくとも介護助手の存在が、世間一般に与える印象とは、「介護の仕事は誰にでもできる仕事で、安かろう悪かろうであって当然だ」というものにしかならない。この点が一番懸念されるところである。




介護助手が制度化された少し先の話しである。
夜勤をしないパート労働者を雇用している介護事業者も多いと思うが、正規職員からは、「短時間しか働かないパート職員はもういりません。私たちと同じ仕事をできる職員を一人でも多く雇ってください」という声が、全国各地で数多く聴こえてくるのではないだろうか?