Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人のサキです。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

身体拘束について




介護老人保健施設の入所者にも行動の自由がありますから、この自由を制限する身体拘束には法的根拠が必要です。「身体拘束」をするには法的根拠が必要ということであって、「拘束禁止」に法的根拠が必要はありません。



たとえば、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第36条第1項は、「精神病院の管理者は、入院中の者につき、その医療又は保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行うことができる」と規定していますが、この規定は、入院中の患者に行動の自由があることを前提に、一定の条件のもとに例外的に行動制限が「できる」ことを規定したものです。



介護老人保健施設については、このような規定はありません。しかし!介護保険法に基づき都道府県(指定都市又は中核市)が条例で定めた運営基準(同法第97条第3項)において、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない旨が定められています。そこで,厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」が取りまとめた『身体拘束ゼロへの手引き』(2001年3月)等では、この規定を反対に解釈することによって、「緊急やむを得ない場合」という例外要件があるときは、身体拘束が可能になるという解釈がとられています。




「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」との関係では、身体拘束は原則としてすべて「養介護施設従事者等による高齢者虐待」に該当し、例外要件に当たる場合に限って、高齢者虐待に該当しないと解されています。



緊急やむを得ない場合の身体拘束とは
前述の通り、「身体拘束禁止」が法的に認められているのではなく、「緊急やむを得ない場合」には例外的に「身体拘束」が可能とされています。



どのような行為が、「身体拘束」に該当するかについては、『身体拘束ゼロへの手引き』が11の行為を挙げています。11の各行為に完全に一致しなくても、行動の自由を制限する行為であれば、身体拘束に該当することはあります。たとえば、「自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む」行為が「身体拘束」の1つとされていますが、「柵(サイドレール)」ではなく、居室の壁または家具等によって、「自分で降りられないように」ベッドを囲む行為は、行動の自由を制限する点では変わりがなく、身体拘束に該当します。



「緊急やむを得ない場合」の意味についても『身体拘束ゼロへの手引き』が、「『切迫性』、『非代替性』及び『一時性』の3つの要件を満たし、かつ、それらの要件の確認等の手続きが極めて慎重に実施されているケースに限られる」としています。



『身体拘束ゼロへの手引き』では、「身体拘束の具体例」ではなく、「身体拘束廃止に取り組んだ個別事例」を載せていますが、「事例」ですから、これらをそのまま必ず「導入」することを求めるものではなく、これらを参考にして、個々の施設および入所者ごとにより良い工夫(ケア)を求めているものと解されます。たとえば、ベッドからの転落を防止するため、ベッド柵ではなく「床ベッド」を採用した「事例」が紹介されていますが、「床ベッド」を必ず導入しなければならないわけではなく、「床ベッド」の必要性、有効性、短所および他の対策との優劣を個別具体的に検討して、「床ベッド」の採否を判断することになります。




事故発生時の法的責任
たとえば、前述のベッド柵を使用しなかった事例にならって、ベッド柵を止めた後に、入所者が転倒骨折をしたとしても、ベッド柵の不使用が直ちに損害賠償責任等の法的責任の原因になるわけではありません。ベッド柵の不使用が法的責任の原因となるのは、ベッド柵を使用すべきであったと言える場合です。しかし、身体拘束は前述の例外要件がある場合にのみ可能ですから、身体拘束に該当するベッド柵の場合、その使用が義務となるのは、少なくともこの例外要件が満たされている場合に限られます。それ以外の場合は、身体拘束に該当するベッド柵以外の対策を講じて転倒を防止する必要があります。



前述の事例においても、ベッド柵の不使用の反面で、床ベッドの使用のほか、ベッドからの立ち上がり訓練の実施等の対策が実施されています。こうした対策が不十分な場合には、そのことが法的責任の原因となりえます。そして、入所者に対する損害賠償責任であれば、基本的には、施設を運営する法人がその責任を負うことになります。