Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人のサキです。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

吉田嗣義氏1980年初版発行の著書を読んでみた




わが国の福祉現場の歴史を見ると、つい最近まで考えられない状況があった。



つまり施設の常識は一般社会の非常識という状況が大手を振ってまかり通っていた時代が、30数年前にも見られたこと。



特養の排泄ケアに対し『オムツは時間ではなく濡れたら取りかえるのが当たり前』という考えを示し、定時交換から随時交換をスタンダードとし、さらに不必要なオムツの使用を否定し、オムツはずしに取り組み、辱層を作らないのが当たり前の施設、という考えを実践で示した。



すると当時、氏と氏の運営する施設が、いかに様々な偏見と無理解の中で、先進的な取り組みを行い、この国の福祉現場のケアサービスの向上に貢献したかがあらためて実感された。



氏の考えや業績は、私ごときのつたない文章で語ることは出来ない。



是非それは氏の著書を読んでいただいて理解してほしい。



ただ著書の中で示されている当時の福祉現場の状況をピックアップしてみるので考えてほしいことがある。
(特に若い世代の同業者には是非考えてもらいたい。)



1.オムツの随時交換の取り組みを発表した際、夜間のオムツ交換に対し、会場から一人の質問者が「眠っている人のオムツを交換するのは安眠の妨げだと思う」という意見が出され、会場から一斉に拍手が鳴り響いた。



2.同荘を訪れた他施設職員が寮母室で同荘の辱創予防対策と体位交換について「体位交換を頻繁にすると延命にならない」「辱創の手当てを完全にすれば処遇は低下する」と非難した。



3.ナースコールは命綱、どんなコールにも理由がある、という主張に対し、ある研修分科会(昭和55年、長崎県)で「夜11時から翌朝5時までは一切老人の呼び出しには応じない」という発表があり会場の半数が同じような実態であった。



4.某ホームは隣室と隔てる壁以外は、すべて透明ガラスを使用し廊下側からも外からも見透かせる。



5.某ホームは食事の際、8人部屋でずらりベッドを並べて食事介助するのだが、おしまいの番になると時間がなくなったのか2口ほど介助して「ハイおしまい」。



こういう状況で氏や氏の施設の取り組みが、いかに当時の施設の常識とかけ離れたところで、「当たり前の人間の暮らし」を実現する為に、様々ないわれなき非難と誤解の中で取り組まれていたことか想像に難くない。



その考えは、今では誰一人否定しないであろうし、当時の列挙した状況や内容を信じがたい、という人の方が多いと思う。



しかしわが国の福祉現場は、ほんの40年前まで、そんな状況だったんだ。そしてそれを変えるために今ある状況とは違う環境で努力されてきた先人達がいたことを忘れてはならない。



しかし吉田氏の実践に今だ追いついていない施設も数ある。オムツの問題や辱創のケアなどは我が施設でも反省して見習うべき点が現在でもある。



ユニットケアや個別のニーズに即す視点は良いが、ケアの基本をおざなりにして、目立つところばかりにスポットを当てて取り組んではいないか、日々反省しながら考えていかねばならない。



彼らの残したものを後退させてしまってはならない。それが我々後輩達の務めではないだろうかと思う。