早期発見と治療が重要なアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)。最近の研究では、アルツハイマー病の初期症状に“ニオイがしなくなる”ことが判明したという。
まだ医学的に解明されていない謎も多い人間の嗅覚。しかし、最近の研究では、アルツハイマー病と嗅覚の因果関係が指摘されている。
「アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)では、大脳の海馬が萎縮することにより記憶障害などの症状が発生します。この海馬の近くに、ニオイを伝達する嗅覚路が通っていることから、アルツハイマー病の初期症状に嗅覚異常が見られることが、最近の研究で明らかになりつつあります。アルツハイマー病の早期発見や治療につながることが期待されています」
今まで気になっていたニオイを感じなくなったら要注意。嗅覚異常の目安とは、日常生活で、ニオイがしないことに気がつくシーンは多くある方は要注意!
たとえば『用を足した際に自分の排泄物のニオイが分からない』『鼻が利かないので食べ物の味がしない』などが、アルツハイマー病の嗅覚異常のサインとなっている可能性があります。また『秋のキンモクセイ、春のジンチョウゲなど、四季折々の花の香りを感じにくい』など、些細なきっかけでアルツハイマー病を発見できる可能性もあります。日頃から、身の回りのニオイに意識的に過ごすように心がけましょう。
仕事が進まない、道に迷う…嗅覚異常以外にも気を付けたい初期症状の例、アルツハイマー病の初期症状は、嗅覚異常だけではありません。
一般的に、アルツハイマー病=記憶障害というイメージがありますが、それ以前の小さなサインに気がつくことが大切です。嗅覚のほかに『以前と比べて仕事や家事の要領が悪くなる』『夜間の運転中に道に迷ってしまう』なども、アルツハイマー病の初期症状として挙げられます。少しでもおかしいと思うことがあったら、早めに医療機関の受診をお勧めします。
アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、早期発見が重要となります。日常の中の小さなサインに気づいて、治療につなげてほしいと思います。