Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人のサキです。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

介護の人材対策は絵に描いた餅、小学生にもわかる論理



国の試算によると、2023年度までに不足する介護人材は約30万人とされている。



この対策の一つとして、外国人労働者の新しい在留資格制度によって、来年度から2023年度までの5年間で5万人から6万人の外国人の受け入れが見込まれるとの推計を11月14日に示したうえで、11月16日の衆院法務委員会理事懇談会ではその算定根拠として、「外国人労働者の活用希望施設が16%であるとの調査に基づき、11.3万カ所が受け入れると想定した」。



これに加えて19日の国会で厚労省は、来年度から2023年度までの5年間で22万人から23万人の国内人材の確保を目指す方針を示し、さらに人工知能(AI)やロボット、IoTによる現場の生産性向上により、必要な労働力を5年間でおよそ2万人減らす計画も公表した。



これによって2023年度までに必要な介護人材は28万人程度と見込み、国内人材と外国人労働力の新たな確保によって、この数は足りるとしているわけである。



しかしこの数字や目標が絵に描いた餅であることは小学生にもわかる論理だ。



なぜならこの計算式には、2023年度までに退職する介護人材の数が含まれておらず、絶対に必要な引き算がされていない計算式となっているからだ。



介護事業における介護従事者の高齢化が進行しており、訪問介護では他産業などから現役引退した人が、初任者研修を受講してパートタイマーとしてヘルパー業務に従事している人が多い。70歳とか75歳のヘルパーだって珍しくないわけである。生活援助のみを提供できる新研修受講者のヘルパーなどは、そういう年齢層の人が圧倒的に多い。この人たちが5年後にヘルパーを続けられるかといえば、その可能性は低い。



結婚や出産で介護の仕事を辞めて戻ってこない人も毎年数多くいる。現実には他産業から介護の仕事に転職する人より、介護の仕事を辞めて他産業に転職する人の数の方が多いのだから、離職者の数は一定程度見込んだうえで、新たな介護従事者の確保数との差し引きで必要数が満たされるかを考えねばならない。それをしないで足し算だけの計算式をもとにした人員確保の目途は、まやかしの論理でしかない。



人材確保に必要な数字を算出する際に、引き算が必要であるという論理は、極めて単純な論理である。そうであるにもかかわらず、国会という国権の最高機関・国の立法府で、官僚と国会議員という頭の極めて良い人たちが(もとい官僚と異なり、国会議員の中には、極めて頭の悪い馬鹿がいることは否定しない)論戦する中で、このようなまやかしの計算式が通用するのかというと、その理由はどう転んでも必要とされる介護人材の確保は難しい。



政策をどうしようとも、この国の高齢者の増加と生産労働人口の減少、財政、どれを取ってみても、今後の介護ニーズに必要な、介護労働者の絶対数を確保することは無理である。まやかしの数字を出して、それに納得したふりをするしかない問題である。



政治が一種のパフォーマンスである以上、これは仕方のないアリバイ作りなのかもしれないが、情けないのはそういう単純なまやかしに乗って、ニセ情報を垂れ流すだけのマスメディアの存在である。本来報道機関とは、その国の知性を代表するものであるはずだが、残念ながらこの国の報道機関は、単に流行にのって、情報を垂れ流す機関に過ぎなくなっていることが、このことでも証明されている。



そもそも実際に介護現場で人に替わることができる介護ロボットができていない現状である。人の力を助ける介護支援ロボットもほとんど実用的ではない状況において、唯一見守りセンサーだけが実用化されている状況の中で、5年後に人工知能(AI)やロボット、IoTによる現場の生産性向上で2万人の介護労働にそれが取って代われるという保証も見込みも何もない。



外国人労働者の確保にしても、新たな外国人労働者の在留資格のうち、在留期間の5年が回数制限なく更新できる「特定技能2号」については、「介護」は認められなかったことから、介護分野における新在留資格とは「特定技能1号」のみとなる。



1号は最長5年の技能実習を修了した人も対象になるものだから、新在留資格で介護分野で就業する人とは、実質技能実習制度での受け入れ最長期間が10年に延長されることとさほど変わりがない。それらの人たちが本当に介護事業者の戦力になるだろうか。



その人たちは日本に永住を希望しているわけではなく、「出稼ぎ」に来ているだけであり、本国より稼ぎが良いとは言っても、文化も違い物価も高い日本という国から、一日も早く帰りたいというのが本音である。そのためにお金をできるだけ稼いで、早く貯めたいと思っている。



そう考えている人に、1円でも時給の高い職場を斡旋するブローカーが存在しており、「特定技能1号」という新在留資格での滞在者が増えるのであれば、それらの人は全国をまたにかけての渡り鳥的な労働力にしかなりえない。介護事業者の財産とか人材とか戦略とは言えない。労働力をそういう人々に頼らざるを得ない介護事業者のサービスの質は推して知るべし。



このように政治家の選挙公約よりたちの悪い見込みによって、介護の必要量は足りるとされているわけである。



そのような見込みに頼らず、事業者独自で人員確保の対策を立てて、他事業者との差別化を図りながら生き残っていくしか道はないのだ。



人材確保策については、政治家や官僚に頼ってはならないし、政治家や官僚を信用してはならないことを肝に銘ずるべきである。