Allo介護の不思議な世界

こんにちは!介護ブログ管理人です。 この記事は介護は難しい、わかりにくい方に向け、初心者でも簡単に紐解いた解説をします。 介護保険は、3年毎に改正されます。この記事を読むと、最新の介護事情や歴史に触れることができます。 とは言え、一体どうしたらいいかが分からない…というあなたのために、一日一つブログをアップし解説したいと思います。 この記事を読み、実践する事であなたも介護の達人になりますよ! ですので、ブックマークをつけて、じっくりと読み進めながら取り組まれてみてください。

雇用動向調査を読み解いてみた




数年前の話しだが、厚労省が発表している雇用動向調査をみると、平成 26年1年間の離職率は宿泊業、飲食サービス業が 31.4%と最も高くなっている。これは入職率が最も高いことと関連しているのだろう。つまりたくさんその業界に入る人がいるから、逆にやめる人も多いということだ。




医療・福祉分野の離職率については全産業平均とほぼ同じ水準である15.7%にとどまっている。人手不足が叫ばれる医療・福祉産業において、他産業に比べて離職率が高いわけではないことがわかる。



また入職率も16.3%で3番目に高い数字を示している。



つまり医療・福祉分野の人手不足は、必要とされる事業者の数=サービスの量に対して、張り付く人数が足りないという問題で、これは社会構造上の問題なのだから、政策主導で解決せねばならない問題であることが浮き彫りになっているということだ。



次に平成27年度介護労働実態調査から読み取れることは、1年間の離職者のうち7割以上が3年未満の勤務年数の者であり、長く働けば働くほど離職率は低下するという実態があり、これは新人職員が安心して働くことができる教育システムが、離職率低下の切り札になる可能性を示唆しているとも考えられ、事業者が努力すべき問題としてピックアップしても良いだろう。



また離職率が最も高いのは、「政令指定都市、東京23区」であるが、これは従業者の生活範囲に介護サービス事業者が数多くあることが原因と考えられ、従業者にとって働きやすい事業者への転職が容易であることの結果であると言える。それは一面、従業者から選択される魅力ある事業者しか、今後生き残っていけないことを示唆しているとも言え、雇用条件や職場環境などに目配りした、他事業所との差別化を図る事業経営が求められていることを示している。



また事業規模では19人以下の事業者の離職率が高いことがわかる。これは小規模事業所ほど経営体力が弱く、雇用条件が悪いという意味合いがあるのと同時に、小さな事業者ほど人間関係が濃く、煮詰まってしまい、人間関係のトラブルが多く発生することが原因になっているものと思われる。



そのことを考えると、小規模事業者の乱立を生んだ厚労省の制度運営は、少子高齢化が進行した現代社会の、一つの病巣のもとになっていると、歴史的には評価されるかもしれない。サービス単位は小さくしても、事業経営規模は大きくして、事業者内で多職種の従業者を適性に応じて巡回配置できるシステムを、国全体で4創りあげていかないと、2040年ころまではしんどい状態が解消されないのではないだろうか。



ところで介護労働における離職理由を見ると面白いことがわかる。離職理由をランク付けすると次のようになる。


1.人間関係
2.法人・施設・事業所の理念、運営に不満
3.ほかに良い職場があった
4.収入が少ない
5.将来の見込みが立たない
6.資格を取ったため
7.出産・育児


待遇よりも人間関係が離職原因であることはよく知られているが、同時に、この上位ランクの中に体力的理由は入っておらず、仕事内容の不満もないということだ。3Kとか5Kとか言われ、体力勝負的な見方をされる介護労働であるが、そのことが原因で辞める人は意外と少ないということは、介護労働に従事する人は、いろいろ不満があっても、やはり介護という仕事が好きな人が多いという風に、ポジティブに考えてよいのではないだろうか。だから離職する人の再就職先も、他産業ではなく、介護業界内ということが多くなるのではないかと思われ、いかに選択される事業者を作っていくかを事業者課題として捉えていく必要がある。



ここで参考になるのが、「介護労働条件の不満について」だが、①「人手が足りない」が 50.9%、②「仕事内容のわりに賃金が低い」が 42.3% 、③「有給休暇が取りにくい」が 34.6%となっている。



③は、人手が足りないことが原因だから、①と③は合わせて考えても良い。つまり離職率が高い職場は、新たに人を雇っても①と③の理由で、辞める従業者が後を絶たず、離職は離職を呼ぶということで、新規募集で人を集める前に、離職の原因調査を徹底して行い、職場の体質を変えて新規雇用をしないと、離職に雇用が追い付かないという悪循環がなくならないという意味である。



そういう意味で、今後の介護事業経営は、事業母体を大きくしながら、非営利部門である法人運営を軽視せず、そこに能力のある専従者を配置して、人が張り付く魅力的な職場づくりを行っていく必要があるだろう。



それは社会的責任も果たす事業運営と切り離して考えられるものではないと思う。