Allo介護の不思議な世界

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特定処遇改善加算の詳細が公表されましたね

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新処遇改善加算は、正式には特定処遇改善加算とされている。2段階の加算については、高い方の加算の算定要件が昨日の発出資料で新たに示されており、それはサービス提供体制強化加算(最も⾼い区分)、特定事業所加算(従事者要件のある区分)、⽇常⽣活継続⽀援加算、⼊居継続⽀援加算を算定していることが要件となっている。



ということは特養でショート併設施設の場合、特養のみ高い加算を算定し、ショートは低い加算となるなど、同一施設内で事業区分ごとに算定区分が分かれるケースも生ずるということだ。



どちらにしても加算算定は、事業種類ごとであり法人単位とはなっていないが、支給については法人で認めるのか、事業種類単位とするのかについては今回の資料では読み取れない。この部分は3月中下旬頃に関連する告示の公布、通知の発出が行われる予定になっているので、そこまで待たねば解釈不能である。

問題は加算率だ。
特定処遇改善加算3
この資料を見て驚いた人は多いだろう。経験のある介護福祉士に月額8万円の給与改善は、小規模事業者にとっては夢のまた夢といった加算率である。



加算額シミュレーションを行ってみると、例えば100人定員特養で、居住費と食費を除く年間収入が4億2千万円と仮定した場合、月額加算額は945.000円である。この数字を8万円で割ると、8万円を手渡すことができる人数が算出できるが、その数字は、11.8125となる。つまりこの特養では最低11人には8万円の給与アップが可能であるということになる。おそらく地域密着型特養の場合は、その人数が3.4人くらいになるものと思える。



一方小規模施設として、グループホーム2ユニットで年収6千万円の場合を想定して計算すると、月額加算は155.000円にしかならない。つまりこのグループホームでは、8万円給与アップできるのは一人しかいないというわけである。ホーム長のポケットマネーを少し足せばなんとか2人に8万円アップが可能となるという数値だ。



通所介護は加算率が低いため、小規模事業者は加算そのものができない状況が想定される。



例えば地域密着型通所介護は、年収がせいぜい2千400万円程度だから、月額加算は24.000円しか算定できない。8万円を誰にも渡せないわけである。だからと言って24.000円を配分できるかといえば、そうならない。なぜならこの加算には、「月8万円の賃上げとなる人・あるいは賃上げ後に年収が440万円を超える人を一人以上確保しなければ加算を認めない」という要件があるからだ。



月額24.000円しか算定できないのに、月8万円の賃上げとなる人を新たに確保することなんてできない。そうであれば24.000円の範囲で賃上げした人が、たまたまそれによって年収が440万円を超える場合のみが加算できるということだろうか。この部分は、今後の解釈通知やQ&Aで確認しなければならない。



どちらにしてもこの加算の算定構造を見ると、あきらかに大規模事業者が有利になっている。給与を上げて人集めするためには、事業規模が大きくなければ難しくなり、今後、小規模事業者からの人材流出は間違いなく進むと思える。その先には人材不足・人員不足が今より一層深刻化する小規模事業者の経営撤退という絵図も見えてくる。小規模つぶし、小規模いじめの特定処遇加算といってよいだろう。



以前にも指摘したが、この加算の配分については事業者の裁量の範囲だから、事業経営者は今から人材を増やすための最も効果的な配分方法とは何かということに頭を悩ませるのだろう。配分方法に不満を持つ職員が増えると、逆にこの加算退職動機となるというおかしな現象も起きるのだから、これは深刻な問題である。



しかしどのような配分方法にしたとしても職員の不満はゼロにならないのではないかと思う。加算対象職員に全額支給する事業者では、他の職員の不満が噴出するだろうし、配分の幅を広げる事業者においては、支給対象職員の不満が高まるだろう。どちらが良いとか、どちらが有利だとか判断できる何ものもないのが現状である。



つまり正解のない判断が事業経営者に迫られてくるわけである。



だからこそ、この加算の配分を巡って職場が空中分解しないように、事業経営者には職員に対して丁寧な説明が求められる。すべての職員に新加算について、丁寧にわかりやすく説明して、職場全体で議論し、その配分をどうすべきかを事業者の総意で決定するように導いていく手腕が必要だ。



この加算の配分が最終的にどのような形になろうとも、それは事業者や事業経営者の収益とは全く関係なく、あくまで職員の給与等の待遇改善の目的として全額が使われるということを理解してもらう必要があるだろう。